暖段はこベッド開発の想い

2011年3月11日、東日本大震災は起こりました。
そして東日本大震災の避難所内でたくさんの被災者が、低体温症で亡くなっている事実を知りました。
実際、東日本大震災における震災関連死はすでに2300名を超え、その1/3は避難所の劣悪な生活環境が直接の原因で亡くなっている。と復興庁が発表しています。
本来、避難所には災害から生き残った人々がいるはず。せっかく助かった生命なのに、避難所で亡くなってはいけないのです。

この問題を解決する手段の一つとして、私たちは暖段はこベッドを考案しました。
この簡易ベッドでの支援を行うにあたり、私たちだけの力だけではなく、ダンボール業界として被災地の支援を行いたいと思い、ダンボール製造業大手のセッツカートン株式会社と共に、約3000床のベッドを被災地に無償提供しました。今までは、梱包に使うだけだったダンボールが誰かの助けになるとは、誰もが思っていませんでした。
暖段はこベッドで支援していく過程で、多くの災害医療に関わるドクターと話し合うことができ、床の上に直接ねる雑魚寝生活はエコノミークラス症候群や、廃用症候群など、2次健康被害の危険性が非常に高いことを知りました。

「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉がありますが、目の前で苦しんでいる人がいて自分は手を差しのべることができる、ダンボールベッドで痛みをやわらげてあげることができると気付いた以上、私達にはこの活動を「やる」という以外の選択肢はありませんでした。
能力があって、アイディアがある。あとはやるだけです。やらないと不誠実であり、逃げであり、ずるい。と感じたのです。
そして、割り当てられた役割である以上やり遂げるしかないと。まわりの意見、評価、評判は一切関係なく、やると決めた以上やるだけ、やり通すだけ。
困難で時間がかかっても、逆風が吹いても、私達はこの活動を「続けて」いきます。