スタッフインタビュー 前田栄吾
— 一番最初に作りたいと聞いたのは
3.11東日本大震災が起こってすぐ。1日、2日目くらいだったと思います。いまのベッドの形状ではなく段ボールをハニカム状にして、
その上に天板を敷くという最初段ボールベッドというのを発案し、すぐ運ぶということで、従業員全て仕事終わってから夜中まで作りました。
最初は60台くらいつくりました。ただし、作るまでにとても時間がかかってします。また、どこの生産設備でも作れるようにならないかということで、たどり着いたのが、今の形状になっています。
最初に作ったベッドはもっていったのになかなか使ってもらえなかった。使ってもらえる前提で作ったものが行政のシステムが構築できていない状態で拒否されたりと、残念な想いをしたのを覚えています。
–自分の会社だけではなく他の会社でもできる仕組みとは?
みかん箱をつくる設備は全国似たり寄ったり、寸法さえわかればどこでも作れるという利点があり、あえて何処でも作れる形にした。最初作ったものは生産に時間がかかりこのまま供給していくには追いつかない。だから全国何処でも作れる形に社長の水谷が設計をした。
–最初の防災協定は新城市(しんしろし)から、今では200近い自治体と協定が結ばれています。そうしたなか、段ボールベッドが使われ始めたときの感想は?
最初の頃は段ボールとベッドは全く違うジャンルだと思っていた。それが寝心地がいいなど評価されたときには段ボール業界に携わるものとしてとてもうれしいことだなと感じました。
–社長が今も、時間を費やしていく中で、前田さんが留守を預かっている(オペレーション)ことについて、正直な気持ちは?
今はもう慣れました。社長がいないことが当たり前になっています。当初は中小企業ですから社長の一声がないと運営できないというところもあるんですけど、社長が一生懸命取り組みをしている中で、私達が会社を預かっていることで支えられているのではないかなと思います。しんどいことも正直ありますが、慣れました(笑)
–ベッドを直接販売できるシステムについて今後どのような人に使ってもらいたいですか?
被災地など緊急に使ってもらうのが大前提で、また病院のベッドがないなどを聞きますので、備蓄していただいて使っていただく。また、単身赴任などの方にもたいそうなベッドでなく簡易的な物を使ってもいいし、箱として使うこともできます。
–この段ボールベッドの特徴は?
基本は箱の集合体なので、変わったところというのはないが、ベッドにすることによって段ボールは中が空洞なので、寒いところでも暖かく使える。また段ボールは吸収性があるので、クッション性が高く快適に過ごせる。段ボールは意外と強度が強い。平面での圧縮強度はt(トン)を越えるので、人が飛んでもはねても大丈夫なのも特徴です。
寝たことがありますが、クッション性がいいのでごつごつはしていなく非常に寝心地はいいと思います。